2018年1月24日
じゃぽマガジン編集部 のすべての投稿
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2017年12月20日発売
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2017年3月、4月の作品情報
2017年3月29日発売
2017年4月26日発売
2016年5月発売の作品情報
5月18日発売予定
5月25日発売予定
2014年12月発売の作品情報
12月3日発売
虚無僧尺八〜伝承の軌跡/酒井松道(5枚組)
VZCG-8555〜8559(CD)
2014年12月3日 発売
「明暗真法流63曲」「明暗対山派39曲」に続き、酒井松道が継承した尺八古典本曲の掉尾を飾る37曲!
森安如濤師や数多の師より直伝で継承した虚無僧尺八の神髄!
4年の歳月をかけ39曲すべてを新録音、前人未到の偉業を成し遂げた酒井松道渾身の吹奏!
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12月17日発売
第十八回日本伝統文化振興財団賞贈呈式/第三回中島勝祐創作賞 贈呈式
あらたに日本舞踊が加わった財団賞、三回目を迎え定着した中島賞
文:じゃぽマガジン編集部
第十八回日本伝統文化振興財団賞、ならびに第三回中島勝祐創作賞の贈呈式が2014年6月19日、紀尾井小ホールで開催されました。今年6月に就任した川口裕司理事長より「かけがえのない伝統文化を未来へとつなぐ、このひたすらな思いが大きく広がり、我々の心のよりどころである日本の伝統文化の将来が、ますます明るいものとなりますよう心から祈念します」との挨拶から式がスタート。文化庁文化財部長の山下和茂氏からの祝辞、衆議院議員小宮山泰子氏からの祝電が寄せられました。
今回の財団賞、山村若氏の選考経緯が紹介されました。選考委員を代表して駒井邦夫氏から「受賞者への副賞として第10回を契機にDVDに替わった財団賞ですが、上方舞の山村若さんの芸の素晴らしさは、まさに映像なしでは紹介しきれません。若さんは今年9月、三代目山村友五郎を襲名され、120年ぶりに友五郎の名跡が復活します。古典の伝承、地唄舞、歌舞伎舞踊、さらには文楽の振付、宝塚の振付といまや他方面に大活躍で東西に奔走され、大活躍されています」とのお話。受賞した山村若氏のお話「120年ぶりにこのたび三代目友五郎襲名の年にこのような大きな賞をいただけることに本当に感謝申し上げます」に会場は拍手に包まれました。
続いて中島勝祐創作賞の選考経緯が紹介されました。「今回9曲の応募があり、多ジャンルにわたっていて素晴らしい曲ばかりでした。一番たくさんの票をとられた萩岡先生の曲に審査員一同、異論なく決定しました。古典を大事にし、現代にあった創作をすることが理想だとおっしゃっておられた中島先生。まさに温故知新という言葉にぴったりな作品だと思います」との審査員・久保田敏子氏のお話。受賞作品の作曲者で山田流箏曲家の萩岡松韻氏は「上手く行きましたかどうかわかりませんけれども、私としては非常に気に入った曲でございます。それに対してこのようなご褒美を頂戴いたしまして、大変光栄なことだと思っております」と締めくくり、拍手が沸き上がります。
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休憩をはさみ、山村若氏による記念舞踊、上方舞「猩々(しょうじょう)」が始まります。能「猩々」から題材をとったおめでたい内容で、「猩々」とは海中にすみ酒を好むという伝説上の霊獣。月夜に酒を汲み舞を舞う場面が見どころで、はんなりとした雰囲気に惹きこまれます。お座敷の舞として発展した、上方舞の粋を感じるひと幕となりました。
中島賞受賞曲の記念演奏「花の寺」は、能や歌舞伎でもおなじみの安珍清姫伝説で知られる道成寺(どうじょうじ)を題材にして作られた曲。桜づくしから花吹雪へと広がる前半部と「わらべ唄」の手鞠唄から始まる後半部からなる構成。道成寺と美しくはかない花の情景を織り交ぜ、お囃子と箏、三味線が「花の寺」の情景を美しく紡いでいきます。終演後、盛んな拍手が寄せられ、幕を閉じました。
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さまざまな伝統芸能分野から、今回あらたに日本舞踊の上方舞が加わった日本伝統文化振興財団賞。三回目を迎え、創作邦楽曲を顕彰する賞としてすっかり定着した中島勝祐創作賞。二つの賞の贈呈式は、華やいだ貴重なひとときとなりました。
撮影:ヒダキトモコ
■プログラム
- 第十八回 日本伝統文化振興財団賞 受賞者
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山村若(上方舞)
記念舞踊
上方舞「猩々(しょうじょう)」歌・三弦 菊原光治
小鼓 藤舎呂英
大鼓 望月太津之
太鼓 梅屋右近
笛 福原徹彦
- 第三回 中島勝祐創作賞 受賞者
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萩岡松韻
記念演奏
《受賞曲》「花の寺」唄・箏 萩岡松韻、萩岡未貴、萩岡信乃
三味線 杵屋五三助、杵屋五助
十七弦 田中奈央一
笛 中川善雄
小鼓 堅田喜三久、堅田新十郎
大鼓 堅田喜三郎
若手民謡歌手 橋本大輝(ひろき)さんデビュー、動画配信中!
1985年生まれの若手民謡歌手、橋本大輝(ひろき)さんがついにデビュー! 先ごろ発表されたミニ・アルバム『民謡(うた)のつばさ』は5曲入り。すべて新録音で、美鵬流囃子方家元の美鵬駒三朗(びほう こまさぶろう)さん、民謡尺八・笛の名プレイヤー米谷和修(よねや わしゅう)さん、若手注目株の津軽三味線奏者・椿 正範(つばき まさのり)さんほか豪華な演奏陣を迎え、力強く張りのある橋本さんの歌唱が響きわたります。これからの民謡界を担う逸材、橋本さんの活躍にどうぞご期待ください!
デビュー・ミニ・アルバムはこちらです。
「津軽じょんから節(青森県民謡)」
■プロフィール
橋本大輝
1985年4月8日、山口県下関市に生まれる。13歳の頃より、父である橋本泰宏に師事し、津軽三味線、太鼓を始める。高校卒業後に上京。浅草の民謡の店「追分」にてレギュラー出演。同年、椿真二師、川崎マサ子師に師事し、本格的に民謡を始める。平成25年度日本郷土民謡協会全国大会にて、民謡ハイライト部総合優勝、三味線太棹の部優勝の二冠達成。現在、全国の舞台をはじめ、ライブ活動、NHKテレビ、ラジオの出演等、幅広く活躍中。
尺八本曲の爾今(じこん)
2014年4月15日
日暮里サニーホールコンサートサロン
「尺八本曲の爾今(じこん)」と題された会が、日暮里サニーホールコンサートサロンで開かれました。当財団の第13回邦楽技能者オーディション に合格し、CD『尺八古典本曲』を発表している神 令(じん れい)さんをはじめ、根笹派(錦風流)、琴古流、都山流など流派を越えた若手尺八演奏家4名が集まり、本曲、古典曲から新作の曲まで、バラエティに富んだ尺八づくしの会となりました。
尺八の「今後」を見据えた、バラエティに富んだ会
文:じゃぽマガジン編集部
ハンドベルの音が開演を知らせ、客席が静まりかえります。ステージに明かりが照らされ、黒田静鏡さんによる琴古流本曲「巣鶴鈴慕(そうかくれいぼ)」の演奏が始まりました。「鶴の巣籠(すごもり)」ともいわれる尺八楽の名曲で、鶴の巣作り、親子の情愛と別れを描いた曲としても知られています。静寂にすっと浮かび上がるかのような尺八の音に聴き入ります。続いて神 令(じん れい)さんによる尺八古典本曲 根笹(ねざさ)派(錦風流)「調・下り葉(しらべ・さがりは)」。「調」は独立した曲として、また根笹派では前奏曲としても用いられるそうで、高い音から始まる「下り葉」との組み合わせで一つの曲として演奏されました。息を断続的に吹き込む「コミ吹き」という独自の奏法に耳がひき込まれます。
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川村葵山(かわむら きざん)さんによる「岩清水(いわしみず)」(都山流の流祖、中尾都山作曲)は、三段構成の曲から初段と二段のみの演奏。「幽玄なる神苑の秋」と題された静かな初段と「神を敬う心の表現」と題された力強い二段の対比が印象的でした。前半のラストは松本宏平さんによる「息観(そっかん)」。一音一音、一息一息に力が込められた精神性の強い曲で締めくくられ、そのあと奏者4名によるステージに揃ってのトークが行われました。
神 令さんによると公演タイトルの「爾今(じこん)」は「今からのち」を表わし、「爾今をしっかり見つめる」ことが大切と考えて名付けたとのこと。会を企画するため出演者が集まった際、そこで酌み交わされたお酒「而今(じこん)」が、とても美味しかったというエピソードも加わって和やかにトークが進み、いったん休憩となりました。
後半は新作曲が並びます。2014年委嘱初演となった「-Roaming liquid set- #01. Aquifer A/B」(山本和智作曲)からスタート。作曲者・山本さんの解説にあった「ミクロの時間を取り出し、拡張する方法」として選ばれた、ループマシーンやディレイといった機材が効果的に用いられ、尺八の味わい豊かな音像が次々と広がっていきます。続いて松本宏平さん自身が作曲し、独奏した「暮れの曲~地無し尺八のための~」(松本宏平作曲)。尺八楽の「うまみ」とは何だろうかという着想から「歌」と「音味」に焦点を絞り込んだ、シンプルではかなさの漂う演奏に心奪われます。常に様々な変化を見せる湖面の「静」と「動」を表現した「湖面」(神 令作曲)は尺八二重奏。二つの尺八の音が絡み合う妙味を堪能しました。終曲は尺八三重奏曲「融(ゆう)」(川村葵山作曲)。古典本曲、琴古流本曲、都山流本曲と三つの流儀の尺八が激しくぶつかり合う前半は古典的な曲想。転じて三つが融合していく後半の現代的な曲想で、会の終曲にふさわしい仕上がり。
伝統楽器・尺八のまさに「今後」を見据えた、じつにバラエティに富んだ会となりました。
■関連作品
■プログラム
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- 琴古流本曲 巣鶴鈴慕(そうかくれいぼ)
尺八:黒田静鏡 - 尺八古典本曲 根笹派(きんぷうりゅう) 調・下り葉(しらべ・さがりは)
尺八:神 令 - 岩清水(いわしみず)
流祖中尾都山(明治37年10月作曲)
尺八:川村葵山 - 息観(そっかん)
尺八:松本宏平
- 琴古流本曲 巣鶴鈴慕(そうかくれいぼ)
(休憩)
- -Roaming liquid set- #01. Aquifer A/B
山本和智 作曲(2014年委嘱初演)
尺八:黒田静鏡 - 暮れの曲~地無し尺八のための~
松本宏平 作曲
尺八:松本宏平 - 湖面
神 令 作曲
尺八:神 令、川村葵山 - 尺八三重奏曲 融(ゆう)
川村葵山 作曲
古典本曲:松本宏平
琴古流本曲:黒田静鏡
都山流本曲:川村葵山
■プロフィール
松本宏平(まつもと こうへい)
琴古流、横山勝也伝古典本曲、及び尺八奏法の全般を石川利光に現在まで師事。神如道伝錦風流古典本曲を神 令、高橋空山伝古典本曲を藤由越山にそれぞれ師事。
古典本曲を軸としながらも、ジャンルにとらわれないボーダレスな活動を東京を拠点に行う。2005年全国邦楽コンクールにおいて最優秀賞・文部科学大臣奨励賞を受賞。
同年イタリア“ブッチー二フェステイパル”にてゲストコンサー卜を行う。教授活動にも力を注ぎ、松本宏平尺八教室を主宰する他、大阪・松原市文化情報振興財団の主催する尺八体験教室にて講師を勤める。
NHK邦楽技能者育成会53期修了。
http://www.shakuhachimatsumoto.com
神 令(じん れい)
1980年東京生まれ。尺八古典本曲の集大成者「神如道」を祖父とし、父 神如正、青木鈴慕、川瀬順輔、山本邦山、徳丸十盟の各氏に師事。現代邦楽研究所本科修了。
東京芸術大学音楽学部邦楽科(尺八專攻)卒業。同大学院音楽研究科(尺八専攻)修士課程修了。2007~2009年同大学邦楽科教育研究助手を務める。2009年デュオCDアルパム「アマルガム~尺八とピアノ~」(フォンテック)を発売。2011年日本伝統文化振興財団「第十三回邦楽技能者オーディション」に合格。
ソロCDアルバム「尺八古典本曲 神令」を同財団より発売。
http://nyodokai.com
黒田静鏡(くろだ せいきょう)
幼少よりピアノを学ぶ。
二十歳の夏、武満徹作曲「ノヴェンパー・ステップス」を聴いた衝撃で尺八に転向。
人間国宝・青木鈴幕、青木彰時に師事。
2007年早稲田大学人間科学部卒業。2011年東京藝術大学音楽学部卒業。2013年同大学院修士課程修了。CAPCOM『大神 五重之音調』CD録音参加。アンサンブル室町、邦楽四重奏団のメンバーとして数多くの新作初演に関わりながら、古典と同時に現代における尺八の可能性を追求している。
川村葵山(かわむら きざん)
東京都出身。東洋大学工学部卒。NHK邦楽技能者育成会第51期修了。尺八を父、川村泰山に師事。
第15回くまもと全国邦楽コンクールにて、最優秀賞、文部科学大臣奨励賞受賞。NHKテレビ「芸能花舞台」出演。第36回・第38回都山流全国本曲コンクールにて共に金賞、文部科学大臣奨励賞、宗家杯、産経新聞社杯受賞。
都山流師範、講士補。
現在、都山流尺八楽会、泰山会所属。「むつのを」「尺八三重奏団」「劇団TNB」「破竹」等、数々のグループに参加。
東京都練馬区、長野県伊那市にて尺八教室を開き、指導も行っている。
山本和智(やまもと かずとも)
「-Roaming liquid set- #01. Aquifer A/B」作曲
1975年山ロ県生まれ。独学で作曲を学ぶ。
オーケストラ、室内楽、アンサンブル、合唱、独奏曲、映画音楽など作曲活動は広範に亘り、作品は東京フィルハーモニー交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団等の演奏団体・演奏家らによって日本をはじめカナダ、フランス、ドイツ、オランダ、ベルギー、アメリカ、ロシアなどで広く演奏されている。2009年度武満徹作曲賞第2位(審査員:ヘルムート・ラッヘンマン)2010年第5回JFC作曲賞(審査員:近藤譲)など受賞多数。
(公演プログラムより転載)