第十九回日本伝統文化振興財団賞贈呈式/第四回中島勝祐創作賞 贈呈式
文:じゃぽマガジン編集部
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第十九回 日本伝統文化振興財団賞
第四回 中島勝祐創作賞
東京・三越劇場での両賞贈呈式
第十九回日本伝統文化振興財団賞贈呈式は例年と異なり、東京と沖縄の2ヵ所で開催しました。
東京での贈呈式は7月7日(火)、日本橋の三越劇場で第四回中島勝祐創作賞の贈呈とあわせて開催されました。まず、日本伝統文化振興財団の川口裕司理事長の挨拶があり、続いて文化庁の山下和茂文化財部長から、両受賞者へ祝辞が述べられました。
財団賞の選考過程については、選考委員を代表して田中英機氏から次のように披露されました。「新鮮な表現と存在感で新進気鋭の琉球舞踊家と評価された。伝統の組踊にも取り組み、屈指の若き女形として出色の才能をみせ、芸の熟成が予感させる。次の世代の沖縄の芸能をささえるリーダーとして大きな期待を寄せている」。
佐辺良和氏は、沖縄の言葉、ウチナーグチで自己紹介をし、「今年は戦後70年だが、沖縄の人はいかなる困難の時代にも三線を片手に、歌と踊りを心のささえにして乗り越えてきた。その心を大切にして、賞を励みに沖縄の芸能の保存、継承、発展に尽くしていきたい」と語りました。
続いて第四回中島勝祐創作賞の贈呈式に移り、選考委員を代表して久保田敏子氏から受賞作「文京坂名所踊図」の選考過程が紹介されました。作曲者の東音赤星喜康氏は、生前、中島勝祐氏から作曲の指導を受けた思い出などを交えながら、師を記念した賞を受ける喜びを述べました。中島勝祐氏と同じ長唄三味線演奏家の受賞は、今回が初めてです。
贈呈式は、当財団設立基金元、JVCケンウッド・ビクターエンタテインメントの米光信彦副社長の挨拶で締めくくられました。
休憩をはさんで、中島勝祐創作賞受賞作品「文京坂名所踊図~坂悠々(坂八景)~」の披露演奏となりました。東音赤星喜康氏のタテ三味線です。原曲は50分を超える大作ですが、この日は時間の都合により約33分のショートバージョン。舞踊曲として委嘱された作品とのことですが、多彩な文京の坂を面白くよみこんだ唄と、変化にとんだ三味線、お囃子の迫力ある演奏に、大きな拍手が寄せられました。
■CD紹介
中島勝祐創作賞〈第四回〉文京坂名所踊図
(記事公開日:2015年08月31日)