第二十回日本伝統文化振興財団賞・第五回中島勝祐創作賞 贈呈式
文:じゃぽマガジン編集部
写真:ヒダキトモコ
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第二十回 日本伝統文化振興財団賞
第五回 中島勝祐創作賞
平成28年7月6日(水)、東京・日本橋の三越劇場で、第二十回日本伝統文化振興財団賞および第五回中島勝祐創作賞の贈呈式が開催されました。開会の辞につづいて日本伝統文化振興財団の川口裕司理事長の挨拶、両賞受賞者の紹介があり、来賓の文化庁文化財鑑査官、齊藤孝正氏から祝辞をいただきました。
まず、今年第二十回の節目を迎えた日本伝統文化振興財団賞の受賞者、川瀬露秋氏について、選考委員を代表して野川美穂子氏から、「地歌箏曲だけでなく、胡弓や歌舞伎の音楽まで幅広く、また作曲や編曲も手掛けるなど、多岐にわたる活動が評価された。今後も多方面から期待がかけられている」と、選考経過と将来への期待が述べられました。
賞状と目録贈呈のあと、第一回の受賞者である長唄唄方、杵屋直吉氏から花束を渡された川瀬露秋氏は、受賞の挨拶として、師であり養母である故・川瀬白秋師への思いを述べ、「ここに立っているのは本当に夢のよう。この受賞を機に、ますます精進していきたい」と今後の決意を語りました。
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第五回中島勝祐創作賞の贈呈に移り、審査委員の久保田敏子氏から受賞作「若獅子Ⅰ」について、「本来脇役である囃子の常識を覆し、主役となりえた作品」と講評がありました。
若獅子会の9名を代表して、福原百之助氏が前回受賞者の東音赤星喜康氏から花束を受け取り、受賞の喜びを次のように語りました。「邦楽囃子の魅力を広めたい、さらには邦楽を理解し楽しんでほしいと願って皆で作った作品が受賞してうれしい。中島勝祐先生の名に恥じないよう、今後も活動していきたい」。
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贈呈式は、当財団設立基金元、JVCケンウッド・ビクターエンタテインメントの斉藤正明社長から寄せられた挨拶(代読)で締めくくられました。
休憩をはさんで、受賞記念演奏に移りました。
川瀬露秋氏の披露演奏は胡弓で、川瀬庸輔氏の尺八との二重奏「鶴門(かくもん)」。川瀬順輔師が作曲、川瀬白秋師が胡弓の手付をした作品です。
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つづいて中島勝祐創作賞受賞作品「若獅子Ⅰ」が披露されました。作曲者でもある若獅子会のメンバー9名による演奏。笛が2名に鼓、大鼓、太鼓、大太鼓、さらに下座音楽で使うさまざまな楽器も加わり、囃子が主役の新しい作品を、来場者は大いに楽しんだ様子です。
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今後とも、両賞受賞者のさらなる活躍にご注目いただきたいと願います。
受賞記念演奏 プログラム
第二十回 日本伝統文化振興財団賞 受賞者 川瀬 露秋 氏
記念演奏「鶴門」(川瀬順輔 作曲、川瀬白秋 胡弓手付)
胡弓 川瀬 露秋
尺八 川瀬 庸輔
第五回 中島勝祐創作賞 受賞作品 「若獅子Ⅰ」
記念演奏「若獅子Ⅰ」(若獅子会 作曲)
若獅子会
堅田喜三郎 藤舎呂凰 福原貴三郎
福原鶴之助 福原百貴 福原百之助
鳳聲晴久 望月左太寿郎 望月正浩
■CD紹介
■DVD紹介
(記事公開日:2016年08月09日)